
焼絵 茶色の珍事
文化
- 開催期間
- 2026年03月07日(土) - 2026年04月12日(日)
- 開催地
- 東京都 板橋区 / 板橋区立美術館
- 詳細
- 「焼絵」とは、熱した鉄筆や鏝などを紙や絹などに押し当て、絵や文字を表現する技法です。燃えやすい素材に火で絵が描けるとは信じがたいかもしれませんが、本展で紹介される作品は、水墨画さながらに線描から点描、濃淡といった表現が巧みになされています。文献上では平安末から鎌倉時代頃に「焼絵」の記述が確認できますが、現存作例は江戸時代以降になります。焼絵が当時も稀な技法だったことは、江戸後期の歌文集に「いといと珍らかにこそ(非常に珍しいことである)」という一文があることからも伺えます。茶色を基調とした焼絵は、ぱっと見は華やかと言い難いもので、作者もほぼ無名ですが、味わうほどに滋味深く、心焦がれるような魅力を秘めています。日本をはじめ、朝鮮、中国、現代の焼絵を約100点公開します。この春、板橋区立美術館で展開される茶色の珍事をぜひ目撃してください。この展覧会は、火筆画、焦画、烙画とも呼ばれ、熱した火箸や鏝を紙や絹などに押し当て、絵画や文字を焦がして表現する技法を用いた作品です。色調は茶から黒に近い色まで展開し、線描から点描、濃淡といった水墨の筆法も巧みに再現されています。江戸時代には、優れた焼絵を数多く手掛けた如蘭こと近江山上藩の第五代藩主稲垣定淳をはじめ、藩主や家老クラスの間でこの技法が行われました。少ない材料で制作可能な点から、根底には質素倹約を推奨する時世を反映しているとの推測もされています。一方、葛飾北斎の弟子とされる北鼎如蓮のような浮世絵師にも焼絵の名手が現れ、さらには江戸狩野派様式の作例も確認されています。技法の特殊さから作例は多くはないものの、一部の間では試みられていた様子がうかがえます。また、大田南畝と来舶した中国人との間で焼絵談議が行われ、朝鮮通信使を介し烙画(朝鮮における焼絵の呼び名)が紹介されるなど、焼絵を通した国際交流も行われていました。本展では、これまでほとんど紹介されることのなかった焼絵について、日本をはじめ朝鮮と中国の焼絵作品を展観し、その美と制作背景を探究します。
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