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画狂人・北斎に触れる秋のイベント特集

葛飾北斎の世界を体感できる秋のイベントをご紹介。音楽ワークショップ、地域のお祭り、そして宮本亞門演出の舞台まで、北斎の芸術に触れる多彩な体験が待っています。

IBECO編集部

「画狂人」と呼ばれ、生涯を通じて絵を描き続けた葛飾北斎。世界的に名高い「冨嶽三十六景」をはじめ、数多くの傑作を生み出した彼の世界は、200年以上経った今なお、多くの人々を魅了し続けています。

この秋、北斎の芸術に触れることができる魅力的なイベントが各地で開催されます。墨田区にある彼ゆかりの地でのワークショップやお祭り、そして北斎が晩年を過ごした長野県小布施町での舞台公演まで、北斎の生き様と作品に触れる貴重な機会をご紹介します。

北斎の世界を音楽で表現するワークショップ

フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが北斎の「神奈川沖浪裏」から着想を得て「海」を作曲したように、北斎の作品には音楽が聴こえてくるような力があります。

すみだ北斎美術館で開催される「歌が絵になる、絵が歌になる 北斎・音楽ワークショップ」では、「冨嶽三十六景 甲州三坂水面」と「初夢美人図」を題材に、作品から聴こえてくる音を探し、即興音楽を創作します。

声での参加はもちろん、楽器を持ち込んでの参加も大歓迎。美術と音楽が交差する、ユニークな体験ができるイベントです。参加費は1,000円で、定員は35名。事前にオンライン予約が必要です。

地域が一体となって盛り上がる北斎祭り

墨田区の亀沢地区では、毎年秋に地域をあげて北斎を祝う「北斎祭り」が開催されます。

すみだ北斎美術館が弘前藩津軽家の上屋敷跡地に建つことから、10月26日の夕方には北斎通りで弘前ねぷたが運行されます。青森県の伝統文化と江戸の浮世絵師のつながりを感じられる、幻想的な光景が広がります。

日中は美術館や緑町公園で、地域の文化や歴史に触れるワークショップ、地元の子どもたちによる展示、キッチンカーでの飲食や弘前の物産販売、中学・高等学校の吹奏楽部の演奏、躰道演武など、さまざまなイベントが開催されます。

10月27日には、弘前ねぷた絵師の三浦呑龍氏によるねぷた絵描きの実演も。北斎の地で、地域の人々と一緒に文化を楽しめる2日間です。

宮本亞門演出の舞台「新画狂人北斎」

北斎が晩年に滞在し、多くの傑作を残した長野県小布施町。この地で、演出家・宮本亞門氏が手がける舞台「新画狂人北斎 2025 葛飾北斎vs 鳥居耀蔵」が上演されます。

北斎と、彼と対峙した旗本・鳥居耀蔵の物語を軸に、北斎の娘お栄、医師シーボルト、戯作者柳亭種彦、小布施の豪商髙井鴻山など、北斎を取り巻く人々との人間模様を描いた作品です。

主演は西岡德馬、雛形あきこ、寺西拓人など。北斎と鴻山にゆかりのある小布施の地で上演されることで、より一層深い感動を味わえる舞台となっています。

10月25日(土)17時開演と、10月26日(日)14時開演の2公演が予定されています。

まとめ

90歳で亡くなるまで絵を描き続け、「あと10年、いや5年あれば真の画工になれたのに」と言い遺したという北斎。その飽くなき探究心と情熱は、今も私たちに大きな感銘を与えます。

この秋、北斎ゆかりの地で開催される多彩なイベントを通じて、画狂人と呼ばれた彼の世界に触れてみてはいかがでしょうか。美術館での鑑賞だけでは味わえない、体験型のイベントや地域のお祭り、舞台公演など、さまざまな角度から北斎の魅力を再発見できる機会です。

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